取材こぼれ話


 

「10を聞いて1を書く」

心掛けてはおります。

が、取材をしたけど記事にできなかった、

面白い話がたくさんあります。

そんな、こぼれ話を少し。

 

 

 

「~群馬の昭和を歩く~ なごみ時間 レトロ散歩」

 

 

 




私、6~8月号を担当させていただいてます。昨日配布された7月号は、甘楽郡下仁田町の「中央通り」。言葉にしてしまうのがもったいないほど、風情ある通りです。

通りには、花街としての歴史があり、遊技場がにぎわった繁華街の歴史があり、周辺には飲食店も数多くあります。誌面でご紹介しきれない、懐かしい風景が山ほどあります。

本文中に出てくる「撞球場」。コレ、読めませんでした。私も学生時代は、住んでいたアパート近くのそれに、3日に1度くらい通いましたが、卒業後はサッパリ。建物の中には、まだ立派な台が2つ、残っているそうです。脚は大理石だとか。なんだか、分かりますか?正解は、本誌もしくは「ちょい読み」をどうぞ。

中央通りをゆっくりと進めば、心地よい昭和に胸がキューっとなります。県道45号線にぶつかる少し手前、耳に懐かしい響き。「洋品店マルイ」に取り付けられたスピーカーから、有線音楽が流れてるんです。それは、かつての商店街で当たり前だった音。通りを歩きながら断片的に思い出された、幼いころの記憶が、一気につながるような感覚がありました。

代表取締役社長の辻川茂さんは74歳。バリバリの現役。受話器を肩に挟んで、伝票を繰りながら、従業員に指示を出し、取材にも応じてくれました。「○○場(撞球場のこと)!?70~80年前からあったんじゃないかな?私なんかも若いころは、夜明けまでやったねぇ。地元の愛好家でにぎわってましたよ」。

店を出て県道45号線を渡った先には諏訪神社。彫刻に感動して何枚もシャッターを切ったものの、なかなかうまく撮れませんでした。。

中央通りを外れても、下仁田には思わず立ち止まってしまう景色があちこちにある。大通り沿いにも、小さな路地にも。それは、心の奥にしまい込んで、いつしか忘れてしまった、昔の思い出と重なるからかもしれない。

取材前のロケハン中、突然の雨に降られ、目の前にあったのは無料休憩所「いこい処」。

机と椅子が丁寧に並べられ、置かれたお菓子やお茶は、その心遣いに嬉しくなりました。写真や絵などの作品も飾られていて、心まで癒され・・・。そうそう、入り口の、ペットボトルを重しにした自動ドアがニクイんです。理科の実験を思い出しました。見たらきっと「なるほど~」です。

 

関東の駅百選に選ばれている下仁田駅には、手づくりの座布団が並んでいました。「下仁田高校かていクラブ」と刺繍されているものも。

「手づくり公園」へ誘う手書きの看板や、

店舗の壁面に大きく描かれた、ガイドマップ。

あちらこちらと、人の温もりにあふれたレトロ散歩でした。

 

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